カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

ラーマーヤナ Balakandaより Kama Asram

さてこうやって16歳くらいになったラーマとラクシュマナですが。

ある日父親であるダサーラタ王のもとへ、ヴィシュヴァーミトラというバラモン僧が現れます。
喜んで役に立ちたいというダサーラタ王にヴィシュヴァーミトラはいいます。
「修行の禁戒を守ってると期日がきそうになるとマリーチャとスバーフという羅刹Raksaが邪魔しにくるので困る。これを退治できるのはラーマ王子とラクシュマナをおいてない。ついてはこの二人を自分に委ねられたし。」

これを聞いてダサーラタ王、やっとのことで授かった王子を手放したくなく、ごねますが、「役に立つっときながらうそつくのか」などと言い返されたり王師のヴァシシュタにも説得され二王子をヴィシュヴァーミトラに委ねることにしました。
書き忘れましたがこのときすでにヴィシュヴァーミトラから、羅刹の王ラーヴァナが神々を苦しめてること、この手下を使って祭祀のじゃまをさせると言った話が語られます。


ラーマとラクシュマナはヴィシュヴァーミトラについて羅刹退治に赴きます。

さて。
よくわけのわからないままこんな目にあってるのに文句も言わず甲斐甲斐しく尊師のヴィシュヴァーミトラの世話を焼きながら旅を続けるラーマとラクシュマナですが。

ある日三人はとある神聖なアシュラムAsram 庵に着きます。

「尊師(オウム事件を思うとどうもこの言葉に抵抗があるが)、この清らかな庵はどなたのものでしょうか」

問いかけるラーマたちにヴィシュヴァーミトラは語って聞かせます。

「よく聞きなさい。ここにはカーマと呼ばれる賢いカンダルヴァが人間の姿に化身していたのだ。しかしここで新婚のシヴァ神とウマーが来て修行を始めるにおよび、愚かにもシヴァ神に襲いかかった。
怒ったシヴァ神は目から火を発しこの愚か者の全身を火で焼きつくして灰にしてしまった。

そしてカーマはアナンガ(Ananga)、すなわち体のない者として知られるようになった。それゆえこのアシュラムはシヴァ神のものなのだ。」

はいそうです。あれです。あれってなんだw


イメージ 1
 Banteay Srei 10c後半


イメージ 2
 Angkor Vat 12c前半 Rovetaによる。

追記:画像だけではあまりに不親切なので念のため解説を。
画像どちらも構図は同じで、

ウマー(シヴァ神の奥さん) シヴァ神 瞑想してるところ  右から狙うカーマ

余談ですが愛に実体がないというのは全くその通りかもしれませんねw


てわけでご一行は体を清めてこのアシュラムに行き、そこで修行している僧たちの接待を受けつつヴィシュヴァーミトラはラーマとラクシュマナにいろいろな説話を話して聞かせて、このご一行もなんとなくなごんできたのでした。

てことで、今日はここまで。

参考文献は別に一項立てて後日紹介いたします。

追記:ここから下は自分用メモですのでスル―推奨です。

バンテアイスレイのレリーフのモチーフはヴィシュヌ教よりか?
マリーチャもスバーフもスンダとウパスンダの子って原本読んで初めて知った始末だが、
スンダとウパスンダが、この2asuraを神々が退治するために創造した究極の美女ティアロッタマーを取り合うモチーフ(これはマハーバーラタにエピソードあったような気がする)のレリーフもバンテアイスレイにあった。(ギメにもってかれた)
http://www.guimet.fr/Fronton
それにしてもこれをどこに設置したらいいか分からなかったので持ってきた、ってw

いつかバンテアイスレイの碑文を一通り読まないといけませんねこれは。
ヤジュナヴァーラハさんの意図を読み取れるかどうか。。

それとこのラーマーヤナから外れた、このレリーフの異説などご紹介。多分行かれた方はガイドさんからもこういう筋書きをお聞きになられたことでしょう。

すなわちウマーというかパールヴァティが惚れたシヴァ神の気を引こうと(18禁的婉曲表現)カーマにシヴァの瞑想を邪魔させようとしている→結局灰になるのね自分、てのは同じオチですが。

これはヒンドゥのどの神話から来てるか分かりませんがクピド―ないしはアモルとのシンクロニシティが考えられますね。