カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

Lo Srot Srangkae:Lo Srot Kvoeng 瓦の古窯と円形レンガ塔 01

えー。
追記:公開日と投稿日が異なるのは最近の仕様です。あと位置情報追加しときます。
緯度: N 12d 36m±20
経度: E 106d 19m06
標高: 83.00m



今回から、前回の遺跡に、105 Srah 集落から向かう途中にありました、謎の円形レンガ建築物と、その
南側に2基確認できました、瓦の窯跡について述べてまいりたいと思います。
地元名は崩れた瓦の窯跡、ないしは崩れたスランカエ(という救荒作物のなっているところ)の窯跡、という名で呼ばれています。

今までCISARKさんどころか全く文献がございませんし発表されるのは初めてのことになると思われます。
何もかもが未知の遺跡ですので妄想炸裂させたいのですが、
結論から申しますとこの遺跡、私的にはそこまで古くないのでは、と思っております。

とりあえず見ていきましょう。

位置関係は以下の通りです。

イメージ 1

105集落北の東への曲がり角から北西へ1.5km強のところにあります。
意外と近いですが今まで未見であったのは集落自体新しいからかもしれません。

遺跡をズームアップしていきます。今やグーグルマップはバイクかトラクターまでしか通れない道まで
表示しております。

イメージ 2

西の長方形の池が見て取れます。これが目印になるでしょう。

遺跡のPLANなど大雑把に描いてみますと。

イメージ 3


例によって縮尺などは適当ですが、このように
これは、前回の遺跡の西方の池とは違い、土手が浅いのですが池が付随しております。
池の大きさは大体東西100m強南北は40m弱というところでしょうか。

その池の北東角にその円形遺跡はあり、
円形遺跡の南側に道を挟んで古窯が、私が見たところ2基確認できました。
古窯とレンガ遺跡の間にはおびただしい瓦が散乱しております。

105集落を北西に進んでいるとこのように、遺跡らしいマウンドが見つかります。
これが謎の円形遺跡です。

画像の人物は案内してくれた何族か不明のおじさんです。おじさんの立つさらに南側、画像は見切れてしまってますが行きがけには想像もしなかった、窯跡がそこにあります。

イメージ 4


近づいて足元を見ますと。
イメージ 5


このように平らな、瓦の破片が大量に落ちております。
瓦は円形遺跡の周りに散乱してはいますが、図示したとおり西側にはあまり見られません。
二基の窯跡と円形遺跡の間~なぜか円形遺跡の東面に大量に散らばっておりました。
破片だけでは形状が想像しがたいので比較的元型をとどめているのを見てみましょう。
イメージ 6


このように先端が円形の平らな瓦です。
アンコール王朝時代のは半円筒状の瓦がポピュラーです。

翌日訪れたKratie市南の200年前の古刹
Vat Loka Kandalの屋根に用いられている瓦をみてみますと。
イメージ 7

ほぼ同様の形状の瓦が用いられていることがわかります。

ということは、この瓦も、窯跡もそこまで古いものではないであろうと思われます。

実は前回のPrasat Lobok Srotで、私が新たに紹介した遺跡から500mほど西側の池にも南東土手にて
イメージ 8


こっちのほうがよりきれいに形状が見て取れますが瓦を見出しました。しかしこれ以外周囲には全く見当たりませんでしたので村人が人為的に移動させたのであろうと思われます。
何より土手のところで建造物が建てられるような場所ではなかったのです。
さらに草や竹の枯葉に覆われていたとはいえPrasat Lobok Srot遺跡内では瓦を見かけませんでした。

つまり、この瓦、にせよ結局何回かに分ける羽目になりましたが古窯にせよ、時代を未確定としても、少なくともこの地域に散在するプレアンコール時代、8世紀あたりの遺跡とは、特徴を異にするということです。

ちなみに行きがけは窯跡の位置など聞いてもいませんでしたが帰りがけ何の気なしにおじさんがここだと知らせてくれたのでわかった始末です。

イメージ 9

二基ある窯の東側マウンドを足元に見つつそれ越しに円形レンガ遺跡を撮りましたが意味不明です。

このように窯を写真に収めたら叢にしか見えないという状況ですが次回も続けます。