Prasat Snaeng Krabai Khang Cheung 2/2カリッカルの母かチャームンダ?
えー。
このPrasat Snaeng Krabai Khang Cheungの破風
その右側
さらに、ドン!
さらに、ドン!
を見た私は、帰国して早速ほくそ笑みながら遺跡仲間のHさんにメールした。
「フフフ、この人だーれだ?」
私的答えは
Karikkal Ammaiyarカリッカルのアンマイヤー。
Karikkal Ammaiyarカリッカルのアンマイヤー。
Vittorio Roveda"Images fo the Gods"から大雑把にご紹介すると、
「彼女は元々超美人で、敬虔なるシヴァ教徒だった。
これを聞き届けたシヴァ神が、彼女をそのような姿に変えた・・・。」
とのこと。なんか分からないこともあるがまあこんなものだろう。
この姿は結構珍しいと本にもある。レアなお姿ゲットに浮かれてニヤニヤしつつ
遺跡マニア同志にちょと自慢。
この姿は結構珍しいと本にもある。レアなお姿ゲットに浮かれてニヤニヤしつつ
遺跡マニア同志にちょと自慢。
さてさて。
しかしH氏より帰ってきた答えは意外なものだった。
「チャームンダー」
引っ越して放置してる段ボル箱から発掘して本を読み直してみた、ああジャメ・ヴュ
全く記憶にございません。
全く記憶にございません。
「・・・この女神はチャームンダーと言います。チャームンダーは墓場に住んでいます。だから彼女の足もとには鳥に啄ばまれたり、ジャッカルに食べられている人間の死体があるでしょう」
・・・
「彼女の乳房はもう老婆のように萎びています。でもその萎びた乳房から乳を出して、並んでいる子供たちに与えています。彼女の右足はハンセン氏病のため、ただれていているのがわかりますか。腹部も飢えでへこみにへこみ、しかもそこにはが蠍が噛みついているでしょう。彼女はそんな病苦や痛みに耐えながらも、萎びた乳房から人間に乳を与えているんです。」
・・・
「彼女の乳房はもう老婆のように萎びています。でもその萎びた乳房から乳を出して、並んでいる子供たちに与えています。彼女の右足はハンセン氏病のため、ただれていているのがわかりますか。腹部も飢えでへこみにへこみ、しかもそこにはが蠍が噛みついているでしょう。彼女はそんな病苦や痛みに耐えながらも、萎びた乳房から人間に乳を与えているんです。」
むう、言われてみれば、確かにこの老婆は、授乳するために子どもを抱いているように見えるではないか。
チャームンダーもシヴァ神と関係が深いようで、カーリーなどと混同されてもいるとか。
Karikkal Ammaiyarではないのか?
大体よその寺院では、彼女とはっきり分かるように、彫られているし、子どもなぞ抱いていない。
実例。
バンテアイ・スレイ寺院 10世紀末
チャームンダーに見えなくもないが、やはりアンマイヤーであろう。
大体よその寺院では、彼女とはっきり分かるように、彫られているし、子どもなぞ抱いていない。
実例。
バンテアイ・スレイ寺院 10世紀末
チャームンダーに見えなくもないが、やはりアンマイヤーであろう。
Phnom Cisor(プノム・チソー タケオ州)11世紀初頭。
なかなかパンチが効いてるが、やはりアンマイヤーさんであろう。南インドっぽいではないか。
Natarajaというよりは笛を吹くシヴァ神ー確かこれもなんか名前があったと思うが?-というところが
変化球ではある。
なかなかパンチが効いてるが、やはりアンマイヤーさんであろう。南インドっぽいではないか。
Natarajaというよりは笛を吹くシヴァ神ー確かこれもなんか名前があったと思うが?-というところが
変化球ではある。
これだけ左側にいる。が伝説どおり、シヴァ神の足もとにいて右のUMAとタメを張り満足気である。
嫉妬深い奥さんのUMAもこの姿ゆえか彼女には警戒していないようである(以上妄想追加)。
これら3点のリンテルや破風は、カリッカルのアンマイヤーで確定できるだろう。
しかし。問題の子どもを抱いた姿のアレは?
どっちだ?
しかし。問題の子どもを抱いた姿のアレは?
どっちだ?
これによると、元々punithavathiyAr(読めねぇ)という名の彼女は美しいのも道理、神性を帯びていたようだ。
先ほどの夫の浮気のために(それまでも色々お話があるので上記サイトご覧くださいませ)
失意のどん底の彼女punithavathiyArさんが多分断食とかして苦行してこのお姿になり、、聖山へふらふら歩いてるとシヴァ神に出くわしたそうで、その姿をみたシヴァ神が
失意のどん底の彼女punithavathiyArさんが多分断食とかして苦行してこのお姿になり、、聖山へふらふら歩いてるとシヴァ神に出くわしたそうで、その姿をみたシヴァ神が
「アンマイヤー(おっかさん)みたいだ」垂乳根の母よ。。
と言ったとかで、それで今の名前になったとか。
シヴァ神と会ったアンマイヤーさんは、シヴァ神に望みをかなえてあげるといわれ、輪廻転生から脱して
あなた様が踊るときその足元に常にいて、歌い称えたいと願ったそうです。
シヴァ神と会ったアンマイヤーさんは、シヴァ神に望みをかなえてあげるといわれ、輪廻転生から脱して
あなた様が踊るときその足元に常にいて、歌い称えたいと願ったそうです。
なるほど。
じゃ、みんなアンマイヤーさんでおk?
やはり子ども抱いてるお姿が気になる。
アンマイヤーというが、子どもはいないようだし。。。
アンマイヤーというが、子どもはいないようだし。。。
"Images of Gods"によるとこのアンマイヤーさんは10-11世紀のが多いとか、で
バンテアイスレイと、未見のイサーンのKampeng Yaiのレリーフがあるそうである。
が、これはいまいち参考にはならない。
バンテアイスレイと、未見のイサーンのKampeng Yaiのレリーフがあるそうである。
が、これはいまいち参考にはならない。
なんか、混じってしまった?
ってのが私的かつ暫定的結論である。
ってのが私的かつ暫定的結論である。
多分、Snaeng Krabaiの彫刻担当者は(グルだろうけど)両方の話を知っていたのかもしれない。
大体が姿かたちは、がりがりで萎びた乳房、で共通しているし、母という属性も同じ。
大体が姿かたちは、がりがりで萎びた乳房、で共通しているし、母という属性も同じ。
それで、無意識にか故意にか、ごっちゃにしたのではないか?と。
他にも子どもを抱かせた理由が色々想像できるかもしれないが(たらちねの母ゆえ子ども抱かせてみただけ、とか)。
まあカンボジア風のアレンジといってしまえばそれでおしまいですが、こうやってちょっと妄想し続けるのもまた楽し。ってところで、今日(二日がかりになっちまった)のお話はおしまいです。
Hさんのおかげで勉強になりましたよ、ハイ。ありがとうございましたです。
やっぱインド見てきた人は違うな、と。
やっぱインド見てきた人は違うな、と。
インド行くべきかいなか。。。
え?
反対側にいるわれわれの立場はいったい。。。
反対側にいるわれわれの立場はいったい。。。
参考文献
上記サイトに感謝します。
1.遠藤周作「深い河」講談社、1993
2.Vittorio Roveda"Images fo the Gods" Riverbooks,Bangkok,2003
もうなんだか残念なところが多いこの人の本も結構参考にはなります。
しかし、定価まで書いてあって$90(¥12600)ってあの当時でもどんな円安だ。
まあDVDも付いててお得。バンコクで値切れば75$とか。。
上記サイトに感謝します。
1.遠藤周作「深い河」講談社、1993
2.Vittorio Roveda"Images fo the Gods" Riverbooks,Bangkok,2003
もうなんだか残念なところが多いこの人の本も結構参考にはなります。
しかし、定価まで書いてあって$90(¥12600)ってあの当時でもどんな円安だ。
まあDVDも付いててお得。バンコクで値切れば75$とか。。
付録。
ああ、やっちまった。。。
2日の追加写真です。
コメントありがとうございました。
ああ、やっちまった。。。
2日の追加写真です。
コメントありがとうございました。