カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

Phum Prasat nau Phum Prasat その2

本日は昨日の続きです。

昨日は概観や建築物の残骸に焦点を当ててみたものの
わけが分からないまま終わってしまいました。

本日は遺跡に残る装飾の残欠などを眺めて、美術様式など推定してみましょう。

その前に
ご存知の方も多いでしょうが、
B,DagensのLes Khmerの訳書が3月に出て、今日やっとうちに届いたので
さりげにアフェリエイトリンク入れておきますが、別に踏まなくても結構です'`ィ 。
中島節子氏最近訳業張り切ってるなあと。

アンコール期の全般的な紹介本としても優れているのではないかと思います。
いえ学術的にどうかはおいておいて、というところもあるみたいですがw。
ただ、美術様式のところ、とくに神像のサンポットの形状からみての図などあり、これは便利です。
リンテルなど建築物のディテイルについて、はあまりないです。
(これはKI様の膨大な写真やMore Angkorサイト様がすべての手がかりになるでしょう)

予備知識がないなら、同じ石澤先生のカルト炸裂の「アンコールを読む」よりもこちらを読んでアンコール遺跡を観光したほうが面白いのではないかと思います。もちろんお好きな方は是非読む、のほうも一読の価値あります。

前置き長くなりました。
ネタがないから引っ張る引っ張る。

けど、後は写真です。
イメージ 1

まずは祠にあるfinial 屋根飾りとでも言いましょうか。

イメージ 2

すいません、奥の一番りっぱな塔のミニチュアみたいなやつ、撮りそびれました。
これ見るともしやしてここもバンテアイスレイ様式ではないかと
色めき立ったのですが。

イメージ 3

しかしこんなのや、最初の写真の向かって右側のやつなどあって
いろいろです。

イメージ 4

Vat Svay Saのときマカラとかいたけど、もしかしたら
Gajasinha(象面獅子躯)かもしれません。

次にこの祠より空き地を隔てて北側に寄せられている石材などを。
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もうNagaの彫りの見事さというか。

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Nagaを吐き出してるのは間違いなくMakharaでよいと思います。

Nagaはあちこち、とまでいかないけどいくつかあります。
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やはりバンテアイスレイ様式あるいはクレアン様式に近いのではないかと思われますが。

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参考までにバンテアイスレイの破風のNagaと装飾。
イメージ 10

どうでしょう?


リンテルの残欠はひとつだけ。
イメージ 9

花綱のたわみを見ると10世紀後半でしょうが
その上に神像が展開するのはもっと前のような。
神像自体もコーケーともプレループともとれます。まあ同じ10世紀ですが。

しかし、なにより、この寺院の雰囲気が
バンテアイスレイ様式の重要寺院Prasat Sralao(また後日検証)
によく似ているように思えたのですが。。。それは雰囲気だけのことかどうか?

私の推定ではこの寺院の様式は
10世紀後半までとしておきますが皆様はどう感じられたでしょう?
碑文もないので確定しずらいです。

といったところでおしまいにしておきます。
明日はどうしたものか。。。碑文に行きたいけど休む暇もないトホホ。

けど王様の休みどころについて。。。