カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

(つづき)カンボジアの歴史なのにヴェトナムから始めるのはなぜかt(ry

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(写真3)ここリンソン寺はバテ山の西ふもと斜面にあり、紀元前1世紀からの遺構である―しかし10世紀くらいまでの遺構が重層に重なっているという。露出しているのはやはり扶南期5,6世紀というところであろう。ここの遺構も見事だ。仕切られている間取りの合い間に管状の下水道というか水路らしきものが作られているのが分かる。見事に水を利用しており高度な技術が伺える。

写真の右下部分で扶南期の大きな盤口瓶が発見されている(アンジャン博物館所収)。ここも屋根で保護されており、一般に開放されている。おとなう人もいなかったが、学校帰りの小学生が、遠くからこいつ何?って感じでしばらく見ていた・・・それはいいが、ここで満足したのが間違いであった。

リンソン寺には4本の手を持つ仏像が有名らしく、
しかもそれは扶南時代のビシュヌ像が改造されたものらしい!
また貴重な扶南のサンスクリット碑文も寺の境内に残っていたらしい。


完全にスルーしてしまった_| ̄|○
ホテルに戻ってツアーパンフを発見して愕然とした次第。
というわけで、再訪を固く決意している。まあ、事前情報なし、ガイドなしで、運転手さんと協力しつつもたどり着いただけでもよしとしよう。。。

写真4は双耳峰であるバテ山の南峰の頂上付近よりいにしえのオクェオを鳥瞰。ほぼ中央の赤っぽいのがGo Cay Thiの屋根である(見えね)。せっかくだからMalleret、Van Molyvannを参考にオクェオの遺構の一部を大雑把に書いてみた。図中の数字はMalleretが設定した運河(の跡)で区切られた区分である。消篭茲切れてしまっているが細かいことは気にしてはいけない。遺構の名も大体である。

バテ山麓にはオクェオ時代の墳墓も見つかっており発掘調査がなされたが、バテ山自体なんか中国の影響受けた道観というかお寺のテーマパークしており、今にいたるまでの墓だらけである。ここら辺のちょっとした山、ヌイサップ、ヌイサムとも扶南時代よりの聖山であるが、みな登ってみたらだいたい同じ様子であった。
さらにカンボジアのちょっとした有名な山もおんなじ感じだ。しかし、こういう山をよりどころとして永久の眠りにつけるのは幸せではなかろうか、とも不図思った。 

2004年の情報なのでさびてるかもしれないが、旅のメモなど。

オクェオ観光の基点はロンリープラネットに書いてあるザックジャーよりは、良いホテルがあるロンスエンの方がいいようだ。私の知る限りアンジャン省営旅行会社アンジャンツーメリックス(社会主義国家故、各ホテルは全部省の経営、つまりどこのホテルでも頼める)からガイドツアーを頼めるからで、ホテルについてツアーデスクでパンフレットを見て、上記の情報を知った次第である。あるいはチャウドックからも日帰り可能だ。ヴィクトリアチャウドックホテルからはちょっと高いがアンジャン博物館に先に寄って予習もできるツアーがある。
そのアンジャン省博物館ではまさに東西交易の証明となる中国は多分北魏様式の仏像等が見られる。
ローマ金貨もあったかもしれない。忘れましたw。

バテ山へはふもとからバイクタクシーで登ったが(30000ドン)私は2万ドン札2枚しかなく釣りをまき上げられたのはいまだに無念である。

ロンスエンの麺料理フーティウはクメールのクイティオゥとほぼ同義で米の麺であるが透明で美しくつやつやしている。歩き方にも有名な店が載ってたと思うがそこで最初に自動的に出される蒸し餃子を食べると別料金取られました。おいしいからいいけど。

ロンスエンにはサイゴン(プレイノコールw)から船で行く方法や車で行く方法もあるかもしれない。しかし、ザックジャーにはNen Chua遺構も公開されているから私はまたザックジャー経由で飛行機で行くことになると思う。さらに、バックリュウ省のヴィンフンには、なんとレンガの塔(祀堂)が残っているようだ。多分扶南ではなくプレアンコール期のものであろうが、行って見たいものである。昨今の研究の進展でメコンデルタにおける遺跡の発見が急速に増えていて、オクェオ文化がサイゴン近郊まで広がっていたと考えられるようになってきた。(サ・フィン文化もだが)今後の考古学的進展が楽しみだが、既に失われていった遺跡も多い。

それにまあ、仕方ないがヴェトナムではオクェオ文明として、クメールとは別のように取り扱っている傾向がある。それについては事情もあるのであろう。
しかしオクェオはカンボジアのアンコールボレイを首都として栄えた扶南の偉大なる栄光と繁栄とを示す遺構であることはまちがいない。歴史に興味がある方はサイゴンの歴史博物館から予習スタートして各省の博物館めぐりをするのも楽しいかもしれない。


文献4 池端雪浦ほか 「岩波講座 東南アジア史 2 東南アジア古代国家の成立と発展」 岩波書店、2000

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