カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

書庫追加最近の分のみ

Bruno Dagens et al"Archéologues à Angkor : Archives photographiques de l'Ecole française d'Extrême-Orient" EFEO,2010
昨年9月出た。
http://www.efeo.fr/fiche_publication.php?code=90&fid=441

時代を追って、EFEOのアンコールにおける活動と、総説みたいのがついてます。往時の(20世紀初頭から内戦前)アンコール地域の写真が満載で見てるだけで胸がしめつけられるほど感動する。お勧めですこれは。

追記:EFEO英語で見てたらなんだ英語版もあるじゃないですか。
”Archaeologists in Angkor"
英題見るとこれアンコールの考古学者たち、ってことで考古学者のほうにスポットを当ててるようですね。
http://www.efeo.fr/fiche_publication.php?code=659&fid=439

内容からはとてもそうにも思えないがw。まあ面白ければどっちでもいいかw。


田畑幸嗣 「クメール陶器の研究」 雄山閣 2008
陶器というより窯跡とその出土物の研究。しかしお好きな方にはたまらない。

Dumarcay"CHARPENTES ET TUILES KHMERES”EFEO,1973 

木造建造物と石との関わりについてもうちょっと知りたいですね。
ついでにサイトですがDurmacayでググったら
http://ejibon.blogspot.com/2009/01/dumarcay-1967-1973.html

Edited by B.Bellina et al"50 Years of Archeology in Southeast Asia,Essays in Honour of Ian Grover"
カンボジアについての論文は直接ないが参考にはなる。カンボジアのSamrongSenからも出土しているSaHuynhの耳飾りやガラスビーズの伝播など興味深い。

カンボジアではないがインドシナの話として。
岩本千綱「シャム・ラオス・安南 三国探検実記」中公文庫 1989
明治30年出版の復刻。
この本を読んで今回のタイへの旅のモチベーションを上げようとしたのだが。
おもしろうてやがて悲しき踏査行。

bondat Misael Trano??”Stapatya:kam bore Angkor Prasat Ruung phnom nau Kaet Kampot"2006
薄いブックレットです。
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今やKampot州の洞窟寺院も地球の歩き方に普通に載る時代になりましたね。。。
ちとこの著者の学者さんの名前の読み方がよくわからない。著書名は
訳すると「プレアンコールの建築物 カンポット州にある山の洞窟の寺院」ってとこでしょうか。
同州にある洞窟遺跡のうちの3か所について書かれてます(Phnom Chhungok,Phnom Khyang,Phnom Totoeng)
白黒写真です。ガイドさんに見せたら今度行きましょう!って盛り上がりましたわ。
いつになるやら。

でもこうやってどんどんカンボジアの学者さんが、考古学的な著書を発表されるようになったのだなあと
ちと感動。てかなんで5年前に出てて今まで気づかないのか我ながら。。。

日本における第2次アンコールブーム 

この時期についても私的にはいずれ取り組まなければならない宿題である。

これは昨年買ったけど

高崎光哲著 「アンコールワット拓本集」京都印書館 配給元 日本出版配給株式会社 昭和19年
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しかしここで注目すべき点は、第一には昭和19年7月5日初版てことで、戦況はもうかなり逼迫してサイパンではまさに住民ともども地獄絵図が繰り広げられまさに玉砕しようとしていた時期にもこうやってアンコール関係の本が出版されていること。

第二には表紙をご覧の通り英語表記の題名がちゃんと記されていることである。
これだけ見ても戦時中英語をちょっとでも使うと非国民だなんだと罵られていたという戦後日本マスコミのくだらないキャンペーンが嘘だったと分かりますね。
著者は東本願寺派のお坊さんのようであるが、この拓本採取の時期も書いていて昭和17年晩秋から昭和18年初春にかけてとある。日本の仏印進駐が、やはり影響しているだろう。

もう一冊
水谷乙吉著 「かんぼじあ史」 高山書店 昭和17年
歴史の本ではあるが半分くらいはアンコール地域の遺跡のガイドブックになっている。ホテルとかについても書いてある、2件だけだが。歴史についての所見はまあ当時のもので違うところもあるがこの時代、アンコール遺跡を見られてうらやましいにもほどがある。

そしてやはり帝国主義的色彩は強く、フランスによるカンボジア植民地化を肯定的に記している。この当時すでにフランスはナチスドイツに降伏していた。
植民地時代のフランスの統治の仕組みについて結構詳しく書いている。
それと、若き日のSamdejノロドム・シハヌーク王の写真が載っているのが感慨深い。この古本の時代と今とが生々しくつながっていることを実感させられる。

最後に現代史
アサヒグラフ1978.11.3号
これは他山の石とすべき記事が載っている。今だから吐き気を催しつつこの、民主カンプチア、すなわちポル・ポト一派およびスポークスマンであるイエン・サリに接待されて書かれた提灯記事を批判できるが当時はどうだったのか?
よくみるとわかるが、このグラフに載ってるカンボジアの民衆というののほとんどが子どもである。
大人は。。。
このころすでにヴェトナムでは救国戦線が準備を始め、ハノイからカンボジアに向けて総決起を促す放送が連日流されていた。もちろんまともにラジオなどきける人はほとんどいなかったが。

日本は中国との[友好」関係上、ずっとポルポト派を、承認し続けてきたし、内戦時代は支援もしてきた。
このこともいずれ書かざるを得ないだろう。