カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

思ったより

5/5
昨日トラクターを頼んで、遺跡から帰って農作業するから7時に来いというので行ったらまだ朝飯食ってないという。ガイド氏も若干ムッとしつつ30分ほど待って、トラクター、の後ろの木板にヘリがついただけのゴザを敷いた上に運転手のほかにナタを持ってついてくるあんちゃんと3人で座り出発する(普通は某スカイ○ムというビデオゲームのオープニングで主人公が処刑場へ連れて行かれる馬車のような体面の座席がある)。
が。

これが意外と楽である。椅子式と違って足を伸ばしたり組んだりその気があれば結跏趺坐できる上に思いの外安定性があり傾きはするが転げ落ちることはない。そのうち小雨も止み曇りで涼しく、しかし昨日はせいぜいぬかるみだった箇所も深く水がたまっている。が、トラクターはものともしない。ときに泥水のしぶきをかぶることもあるが心地よいし楽しいものである。わたくしよりガイド氏の方が喜んで池になった道を進むさまを撮りまくっているくらいである。
それにしても激しかったと言え、一晩の雨でここまで様相が一変するのかと驚くほど水であふれていた。
昨日より若干時間かかるがバイクで来た地点まで1時間で着きさらに進む。GPSで見るとやはり日本で事前にグーグルマップで見つけていた地点が正解であった。
ラクターの良いところは遺跡まで歩かなくてもいけることで、西の池に入りコブラに遭遇して騒いだりしつつ到着。
①Prasat Don Chraom
周壁の中に環濠、東西に参道、ただし西は壁に遮られる。
東から経蔵2基 参道前室というかエントランスをもつ主祠堂を始め3祠堂 西の参道への後列にーーという東に回廊状のトビラのついた建築物、これはBruguier氏のPLANには抜けていると思われる、そこそこの規模の寺院でした。

約束していたのは2箇所で
②Prasat Au Chhit?Chhek?

近くの小川の名前でそれは昨日は涸れ川だったのに今日は水がたまっていた-が普通に橋も掛かっているので水があれば渡るだけだが橋まで水たまりという不思議な状況は昨日から変わらない。
ここも昨日も通った道から近いがノーマークで帰って検索し直すが既知の遺跡ではないのかもしれない。あまりはっきりしない坂の上に3~5基の直列の小レンガ塔 どうみても最低4基はっきり並んでいて不思議である。環濠もないが南西面に陶片多数散在。

陶片を見てたらナタあんちゃんも地面見て松露のようなキノコを採ったので匂い嗅がせもらったらいい香りだった。かなり高いらしい。
昨日も道端で売ってる人いたが。
帰りに脇道さしてここからPrasat Kraham への道と教えられ来年連れて行ってと一応頼んでおいたがどうなることか。
2箇所の約束だったが結構無口ながら運転手さん親切で
③Prasat Trapeang Svay
にも寄ってくれる。
ここってSvay Thomだろなと思って行くと環濠に水がたまってて徒歩なら断念するところへトラクターなら難なく渡る。
レンガのちょっとこだわりある作りの3祠堂と前衛に南経蔵を持つ典型的な10世紀の遺跡でまえきたことありそうだが記憶にない、もしくは失念。
さらに崩壊した南以外北中央と入口両側に長文の碑文が欠損しつつ残っていた。SvayThomと思い込んでいたがあっちはレンガじゃなく砂岩だった。

このChhaeh地区で碑文が残っている遺跡でレンガ塔もある寺院、CISARKさんには載ってませんでした。昔文化省のおじいさんに頂いた遺跡リストを見て確認しないとわかりませんが、登録されていないかも知れませんので帰国後まとめます。

運転手さんPrasat Chhaehにも寄ってくれそうで聞いてくれたが2月に行ったしもう昼なので気が引けて帰ることに。
本当にありがたかったです。

昼食を2月から入り浸ったChiam Ksantのゲストハウスの並びの食堂で食べて昼から暑くなるならいっそ涼しいところへ行こうと、
④Prasat Preah Vihearへ。


6年前と違い軍人に監視されての見学ではないものの、ふもとでチケット買って車かバイタク強制レンタルして山に上がる。地元民がどさくさで便乗するのも一緒である。
山上はさすがゴールデンウイーク、日本人グループだらけである、が帰る彼らとは入れ違いで。

ああ10年ぶりにこの景色をまた独り占めできるとは。

6年前の戦時の陰惨な気分も何もかも山上の爽やかな涼風と、西日に最高に輝く遺跡、山並みに影を映しゆっくり流れる雲の形、青空の対比、そしてまた早くから東の空にかかる月に、全て祓われましたわ。


その後、なぜかあの崖から飛び降りなければという考えが頭をよぎり止まらず慌てて撤退いたしました。

Prasat Preah Vihearはわたくしの歴史探訪のスタート地点であり節目に訪れる地であります。

ほとんど廃墟化してますがブログ開設して10年となり、またここに来て、もう少しちゃんとせねばと思い直した次第です(なお帰国すると忘れる模様)。