カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

CISARKさんのUTMを緯度経度に変換する苦労

まあ自分のメモ用ですが。

昔からGPS使われてる方には常識的な基本の話でしかないのかもしれませんが。



今年の2月もラタナキリのPreah Put(これも3月か4月以降CISARKさんから消滅してしまいましたが)、
当時サイトに記録されていたUTM
一つはプノンペン国立博物館に収蔵されている2神像(博物館では遺跡の旧名Kompong Cham Kau出土と表記)の出土地点

701013-1534518
と701124-1534786


これのUTMを
緯度経度を適当に変換してその地点に行ってみたのですがまあ位置自体もあやふやでずれていたんでしょうけど、
何の成果も得られず森の中をさまよっただけでした(そして文化局から危ない危ないといわれる始末)。ついでにKalay Ta VangもUTMを参考に彷徨いましたが記載文と位置が余りに乖離していてこれも空振りでした。まあ位置が正確だったとして何の遺物もなければ検証もできませんが。。
ここのことは一旦置いときますが。



このUTMで場所を記録するというよくわからない作業自体ややこしいし、そもそもUTMとは何ぞやというところから始まって、

ユニバーサル極心平射図法coodinate systemとはなんぞや、

を経て1ミリたりとも理解できず、とりあえずUTMというのには

その図法もいろいろあってカンボジアで使ってるのはIndian1960とかいうフォーマットの地図の上にUTMで投影ないしポインティングしているというのをラタナキリの文化局の地図で見つけ、

(追記:2月にはそんなことも気づかず違うので変換し誤差が生じていたのすら気づかず)


カンボジアはzone 48Nに含まれていることを調べるのにちと時間を要したり

じゃそのIndian1960でUTMを緯度経度変換できるサイトはあるのか、ソフトはあるのかと探し、
ソフトは莫大な金額がかかりそうであること(日本には皆無、アメリカで1万ドルくらい出せばあるらしい、冗談じゃございません)、

最後によくわからないけど
https://epsg.io/
というサイトにたどり着いてここでそのIndian1960のUTMを緯度経度に変換できることを見出し、

この時点でしばらくCISARKさんが落ちてて使えず頓挫してたのを、
GW帰国後、検証のため

既知の遺跡をサンプルに、その正確性を確かめてみました。

難しい仕組みは置いといて、やり方だけ把握すればいいやとここまで読まれた奇特な方には申し訳ないですが全く理解できてなくても問題なかったです。。。

てことで実践あるのみです。

やり方は、CISARKさんの遺跡の記事にUTMが備考なり追加で記載されている遺跡
、その中でわたくしが確実に位置を把握している遺跡をピックアップして
その記載されているUTMをサイトで緯度経度に変換して

グーグルマップ上で位置が合ってるか確かめる。

たったこれだけのことに半年以上頭を使っていました。まあこれだけやって生活してたわけじゃないので嘘ですがw

・・・

まず1例目

昨年訪れたPreah Vihear州Choam Ksantの、
Prasat Don Chroam CISARK624
を見てみましょう。
とはいってもログインしないと追加情報は見れないので大雑把にそこに書かれてる内容を言いますと

「量ったもののGPSの設定エラーで航空写真で確かめるとちょっとずれてるようなので補正した」、
みたいなことが書いてあります。
まあ細かいことは置いといて、そのUTMは
UTM E505710 N1599509

となっております。
じゃこれを上のEPSGさんのサイトで変換していただきましょう。
https://epsg.io/transform#s_srs=3148&t_srs=4326

ここにX軸=経度 Y軸=緯度なので数値を張り付けますが、

このコーディネートする際にただIndian1960の緯度経度をWGS84という、より新しそうで誤差の小さいやつ(やつとしか形容できない程度の理解w)の緯度経度に変換するだけのページが表示されがちで、
それではこのUTMの数値は使えません。しかし一回たどり着けたと思ったらすぐ、この緯度経度から緯度経度に変換するページに飛ばされたりし、

UTMの数値から緯度経度に変換するページにたどり着くまで大変苦労しましたので、

直に上のごとく確実なURLを張り付けております。

さてその結果は
イメージ 1

Indian1960 
UTM E505710→  WGS84 E105.0490172
N1599509→ WGS84 N14.1094577

となりました。これをShow position on a mapという下のリンクから地図が一応見れますが、
拡大すると位置がずれて全く使い物になりません

イメージ 2


ので
緯度経度をグーグルマップの検索にコピペして見てみますと、E105.049017 N14.109458と最後一桁は四捨五入されますが精々数十センチの誤差なので無視しつつ、出てきた場所は、


イメージ 3


ちょっと中心地点からずれているものの、
見事Prasat Don Chroamの敷地祠堂の前あたりを示しております。

ここでIndian1960 のUTMだからWGS84じゃなくそのままちゃんとIndian1960のユニバーサルなんちゃら図法の地図に投影するべきではないかという、そこのあなたのために変換してみますと、
Indian1960 UTM E505710→  Indian1960 E105.052907
N1599509→ Indian1960 N14.107657
上のキャプチャ向かって右下、つまり南東に400mもずれていますね。

この現象が、この図法同士の誤差なのか、そもそもの正確性の問題なのか、それとも変換してくれるサイトにまつわる問題なのかは不明で、そこまで検証するのは歴史探訪の埒外の話なうえ、
理解不能ですのでこれ以上掘り下げずに、

もう一例くらいやって確かめてみようと思います。

とはいえCISARKさん,
このChoam Ksantにおいては、GPSが全く機能してなくて記録できてないか、
出来ててもわたくしが未見だったり、この地点から遺跡に入るとか言って車道のど真ん中のUTMを記したりしておりますのでよその地域に行ってみます。

・・・

先日も訪ったKratie州は古都Sambourで見てみましょう。
Tuol Kamnap Trapeang Prei IK136です。

昨年やっとたどり着き、この5月はスルーしたところですが

CISARKさんによると、あろうことか遺跡の位置ではなく、その東の、誰が見ても場所がすぐわかる
この地域の目印ともいえるTrapeangー小池を本来なら四周に従えた、大き目の池ーの位置を
記しております。

UTM Indian1960 E606956 N1414275
これを同じように上のサイトで変換して、
手順は一緒なので結果だけ記しますと。

WGS84 E105.9815925 N12.7943725

これをグーグルマップで見てみますと
きっちり池の上に表示されました。
まあそれなりに信頼性はありそうです。
但し遺跡はその西のあたりなので、なんで遺跡を記録せず池にしたのかは、たぶん調査当時
この一帯も深い森でGPSの電波が、開けた池のほとりでしか届かなかったのでしょう。

ここも戯れにIndian1960のまま緯度経度に変換すると、最初の遺跡同様全く同じ方向同じ距離に南東にずれます

どこかの過程で生じた誤差が一定ということは原因も特定できそうですが、これもわたくしの分に余ることなうえ、不要でしょう。
イメージ 4


まとめますと

・CISARKさんに載せられているUTMはカンボジア、ないしはベトナムが使っていたIndian1960というUTM図法
の地図で、まあここらへんは政治や軍事的な理由も伺えるでしょうけど、若干マイナーぽくて
探すのに非常に苦労した。

ちなみに
日本が協力して作ってたカンボジアの10万分の1の地図は別のフォーマットだったと思いますので明日にでも家に戻って()追記しておきます。

・このIndian1960にしろUTMを緯度経度に変換するのに苦労したが
変換できるサイトを見つけて変換して
既出の訪った遺跡で検証してみるに位置はほぼ正確と言ってよい。
(というか正確なのが当たり前ですけどw)
という結論を帰納させるには数が少ないが面倒なのでもういいや。


しかし、

・地図や地理の専門家にとってはメリットがあるUTMも我々素人には面倒でしかない。
普通に緯度経度書いてくれてた方が助かる。UTMのほうが位置が正確だとしても
我々素人にしてみれば理解不能でさんざん苦労した。
(と書いてますがグーグルマップの精度の進化を鑑みると2003~2008辺りの当時はしょうがないのか)

ということで、

・またおいおいCISARKさんのUTMについて気が向いて、暇が有り余ってましたら
検証を続けてもいいかもしれないと思いますが(たぶん面倒なので必要上以外はもう二度としない
)。

以上です。