カンボジアの歴史探訪 2

つかいにくいのでFC2にて活動しますわ。

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シェムリアプ州
Svay Leu
Ta Siem
タヴェンミンチェイ山に行ったのならば、ここも長年懸案だったPeung Chhat にも行って蓮の花を見たいもんです。
最寄りの村Phum Khnyuun 黒檀の村というが切り尽くされて一本もないが-そこでトラクターを頼む。しかし行って見たら後で思うにバイクの方が動きがよかったかもしれない。村人は道端に止まってたトラクター出して良いというが最初はものすごくぼったくってきたので値切ってやっと半額にする。まあそれでも高めかもしれないので単独で行く人はSvay Leuでこの場所を知っているバイタクを雇ったほうがいいかもしれない。
クロマーマガジンにも記事が残っているのでプーンチャットで検索すれば良い。帰国後記事を書いて場所を示すので行く人が出てきたら嬉しい。

ただ、わたくしは土地鑑のある村人を雇う必要があり、それはPeung Chhat 以外に仏像が残るPeung Preah Put Kraom 、近くの遺跡Prasat Roeu、村のちょっとはずれにある遺跡に寄ってもらいたかったからである。
結果的にはトラクターのあんちゃんたち2人と行ったが、気がよく最後の遺跡は知らないといいつつちゃんとたどり着いてくれた。

クーレン山の北斜面へ向かうが、流石に石岩だらけの悪路だから安く負けられないと最初言ってただけのことはある。がクボタのトラクターは強い。悪路を物ともせず進む。がバイクならもっと楽だろうなと思うのはしょうがない。
途中山の畑へ行くおばちゃんを拾って送り、トラペアンをいくつか見て
最初の目的地
1.Prasat Roeu に着く。単独の崩れたレンガ塔で時代は同定しずらいが10世紀か。陶片が東側に見出せ時代もそのくらいのようだ。
ここからクーレン山へと南に進み、ここまでの途中にも奇岩が点在してこちら側もなかなか面白い風景ではあるが、
山奥の人家のあるなだらかな斜面を南に降りまた登ろうというところにキノコ型ーヒラタケのような形だがーの大岩が見えてきてありそこが
2Peung Chhat だった。山の斜面の穴と思い込んでいたが、このキノコ岩の柄の部分が遺跡であった。

牛の糞が散乱しまくっているのもシヴァ教ぽいが実際はどうなのか。傘状の岩に雨避けや涼を求め放牧のうしが集まるのだろうが今は一頭も見当たらなかった。

岩の天井に蓮花弁が彫られ彫りも深くやや赤みがかっており美しいが真ん中は破壊されていた。ラテライトを土のまま壁にしてアシュラムというかアンが5部屋ほど作られており、
台座などもあった。色々あるので帰国してまとめたいがどうか。
一つだけあんちゃんたちもしらない、この岩の南西となりにある台状の岩で多分世界初シヴァの目の彫刻を発見した(笑)、かもしれないので画像をつけておく。

イメージ 1

これには驚いたが自然の、川の小石で穿たれた穴を目に見立てた人が彫ったのだろう。あんちゃん2も確認しに行って目だと驚いていた。自然の造形だけかとよく見てみたが上下の瞼の部分は明らかに人の手が加えられていた。

あんちゃんたちは、今は亡きCISARKに載っていた近くの仏像は知らないというが人家の人が教えてくれ通りがかりの岩にあった。
3Peung Preah Put Kraom
ここはバイヨンも後期のもののようで途中で掘りかけのまま10体以上の仏像がまず見て取れたが、それよりもその奥、西の壁である。
三尊像と両脇の仏像が素朴ながらも尊い
む一番端の仏像の外側をちょっと削られかけていたが盗掘を今のところ免れたことにも感動である。船戸与一作の夢は荒れ野を、をちょっと思い出す。まあ若干内容が荒唐なところはあるが。Avalokitesvara とPrajnaparamita と本尊のPreah Put に般若心経を唱えるが途中で忘れた。
連子窓の円柱もいくつか落ちており、ここにそういう建築物があったのかまさかここら辺で作って運んでいたのか(山の裏だし考えづらいが)不思議であった。

ここも陶片が見られ往時修行しながら暮らしていた人々を思う。
がKraom(下)というくらいでLeu(上)も実はある。しかしこの村の南東で距離があり、ほかの最寄りの村からアプローチしたほうが良いと思われる。出発前行きたい遺跡の名がどんどん出てきた村人やあんちゃんたちもここですらうろ覚えだから上の遺跡を知ってるようでもない。

4.Prasat Trapeang Popel
行くときに頼んでいたことを覚えていてくれたようで池の前にある遺跡へと寄ってくれた。最初ここが後述する村の外れの遺跡かと思ってたがーそっちは近いので自分で歩いていくとは伝えていたーそうではなくちゃんと途中のこの遺跡に案内してくれた。

のは良いが。
遺跡は去年埋めてあろうことかまた芋畑である

わずかに基礎のラテライトが数個見れるだけである。
さては昨日のバンテアイミエンチェイの遺跡もこれやられまくってたのかと謎が解けた気がしたが、ちょっとこれでいいのか?

まあ日本も開発前に発掘し,埋めて色々建てるのでしょうがないかもしれないがIK 227.1のこの遺跡が消滅するのは残念である。ガイド氏もAPSARAがなんとかとあんちゃんたちに言ってるがこれはどうしようもないかもしれない。逆に考えたら埋められてなんか建てられたわけではないのでこれ以上遺跡が荒れなくて済むかもしれないという可能性はあるが、日干し煉瓦なら土に還ってしまうかもしれない。陶片を見る限り10世紀から12、3世紀までであろうと思われるが。

が、遺跡の内部、北,西のTuol には結構な量の陶片があり元陶磁も落ちていた。中央祠堂があったと思しき場所の南で大壺の底部を見つけて皆に見せてちょっと説明しておく。その分厚さはにいちゃんたちも驚いていたようだ。

さらに後で見るとここも若干東北東ー西南西に傾いて、池、丘、寺院、池、さらに村の近くのPrasat Kranhoungと並んでいるのだった。

にいちゃん1はわたくしが遺跡好きとわかったのか西の山の方にも遺跡があると教えてくれる。
山の間にあるとのことでPrasat Trapeang SoengとPrasat Trapeang Lbeuk の近接してるらしい二つの寺院のことのようだ。来年連れてってというと大笑するが場所よくわからないらしい。

村に帰って金を払い村人が座ってるテーブル席を借りて弁当を食いながら話をするがそこそこ昔からある村なのか遺跡の名は全部知っているようだ。さっき最後に寄った遺跡と、村はずれの遺跡が異なっていることを教えられにいちゃんへの感謝の念がわく。食後に村の生命線であるトラペアンの西岸を歩きその村外れの
5.Prasat Kranhoungに行く。
ここが昨日のプラサートプラムと混同してたことに今気付いて修正しておいた。

ここがラテライトの外周壁、正門と南北両側の廻廊擬き、ラテライトのスリット状の窓を持つ南北の経蔵、?中央のこじんまりとしたレンガの主祠堂、そして外壁から突出はしているものの閉ざされている西の建造物。
横の民家のおばちゃんたちがやってきてここは5個建物があるなどとなぜか自慢げである。おばちゃんたちは10年以上前からSvay Leuのほうからここに入植してきたとのこと。
おばちゃんたちの写真撮って別れる。

帰りに土手の穴でポリタンクを一杯荷車に積んで水汲みしてる女の子たちがいるのでのぞいて見るが井戸ではなく池から染み出してるらしい。池が枯れるとここも枯れるとのこと。それにしても水くみも女の子の仕事なのか。

村を去り
6Vat Rohal に寄る。なぜかネアクターが多数祀られている。台座が1座どこからかPrasat Ta Lemあたりからかーもってきておいてあるのみであった。

もう夕方近く迷うが来年分け入る予備調査のためトラペアンプラサートへいく道を北上し途中で西に曲がる。
この時間じゃ無理できないので
Ponlei 村に行き店で遺跡について聞くとないという。南に行けばPrasat Kuoy があるというがもちろん遠い
それに本来の名はPrasat Bangkuoy であるし東西2箇所あるのだが。遠いと言っても数キロで近いほうである。

聞いた人は入植者で、隣のおばちゃんが昔から住んでるというので聞くと
7.Prasat Ponlei はちゃんと近くにあると言う。
が、先述の南の遺跡はやはり一つしかないと言う。
ここも今後の課題として、とりあえず近くの遺跡をめざして歩く。
南側から回り込んで藪棘だらけだったがそのため血まみれになりつつもがいていると推定した位置が数メートル南にずれただけで気づかない。ほらと北を指さしたガイド氏が見つけた。

藪に覆われて全容をじっくりみづらいが、ラテライトの三基の祠堂はほぼ完全に残りさらに感動的なことに全ての祠堂のリンテルが残っている。バイヨン様式は一目瞭然で、あろうことかバイヨン周壁と同じ生活や説話をモチーフをリンテルにしている。これも類例をほかに見ない。
イメージ 2


トラに追いかけられて木に登る人である。画像むかって→側であるがこれじゃわからないですね。
なんかの説話なのだろうが忘れたがバイヨンとここのほかあったか?バンテアイチュマーにもあったかしらんと
二人で話し合う。

東の池も見て引き上げるが、わたくしよりガイド氏の方が驚嘆していた。

この村から西に一直線でクバルスピアンとスレノイの間に出る。その道道にも到達しづらいがThnal Dach など魅力的なとても行ってみたい遺跡が眠っている。
来年でも回れたら良いが。

ダートを先を置くトラックの土ぼこりで全く前が見えずノロノロ運転のところもあったが1時間ちょっとで上弦の月に圧倒的なシルエットを浮かび上がらせるプレループに戻ってきて道から月とその様をガイド氏と撮影してしばし遊ぶ。
イメージ 3

心眼を以てしても見えないですねこれもw
夜の遺跡はまた雰囲気が厳かで良いものである。